うつ病の治療方法は経過観察、定期通院、服薬など様々考えられますが症状によっては入院治療を選択することも有効な一手であることはご存知でしょうか。
外傷のある病気ではないため、入院治療が可能だということを知らない方も少なくありません。今日はうつ病を入院治療によって治す方法についてお話しいたします。
入院することでストレスを減らす
まず、入院治療のメリットはなんでしょうか?
入院治療のメリットの一つは入院すること自体にあります。ストレス要因から物理的に距離を取ることが、ストレスを回避することに直結するのです。うつ病の診断を受け、通院しながらの自宅療養が続くと、周囲の目が気になって外出できなくなり、自宅に引きこもってしまうケースがあります。
また、うつ病は自身の自律神経系の乱れから発生するものなので、自らによる自宅療養はハードルが高いことも事実です。自分でコントロールができないので、環境を変えずに完治させることは困難です。
自宅療養が続くと生活リズムが不規則になって、症状を悪化させてしまいます。こうした際には、入院するだけで症状が改善に向かう例が多く見られます。
入院することでストレスを回避し、心身を十分に休め、自分自身を見つめ直し、自己を知る気づきにもつ繋がります。そして様々な治療プログラムによってうつの症状を引き起こす原因になっていた今までの行動パターン、思考パターンを変化させる効果が現れるのです。
何より環境を変え、自分以外にコントロールを促してもらえることで楽になることが最大のメリットです。
入院中のスケジュール
入院初期の休息期はまず病棟生活に慣れることから始め、心と身体をとにかくゆっくり休ませて生活リズムの改善を図ります。1日のスケジュールを見ると、朝7時起床で8時からが朝食です。10時からが検温の時間で、看護師が病室を回って患者一人一人に声をかけ、体調をチェックします。
看護師さんは症状を理解してくれているので、コミュニケーションは非常に丁寧です。安心してくださいね。
正午に昼食で、18時から夕食。18時半から入浴時間で、22時半が消灯になります。
医療スタッフが24時間態勢で見守っているので、自宅と違って不眠の相談や薬の追加にも随時応じることができます。入院中は夜間に睡眠を十分に摂ることを最優先にして日中の活動する時間と休息を摂る時間のバランスを取っていきます。こうして入院生活を送るうちに自宅で過ごしていたときと比べて自然と規則正しい生活にリセットされるのです。
入院後の生活
精神科の病気の治療ではあまりに調子が悪い時には休むことが大切です。そして少し元気が出てきたら、病気から回復していくための知識や行動を自分なりに身につけていきます。
そして退院後もそれらを継続していくことが必要になってきます。少しずつ体内時計を整えていくためにも、入院生活の中で自分のできるところから取り組んでいきましょう。
最初は辛いかもしれませんが、次第に良い睡眠が摂れるようになります。うつ病が良くなって退院した後の生活のポイントとしてはやはり安静が重要でしょう。
特に退院後1か月は安静にしたほうが良く、無理をすると症状が再燃しやすくなります。退院後は心身が家庭内の生活に再適応するためにエネルギーを自然に消費してしまいます。主婦なら家事は1日1時間以内に留める、買い物などの外出も2~3時間以内にする程度にしておいたほうが無難です。
あとがき
今日は、入院治療の紹介をさせていただきました。ですが、忘れて欲しくないことは症状によって適切な治療方法があるということです。
自宅治療に向いている方もいれば、症状が重い方は入院が向いている場合もあります。
投薬の種類についてはこちらに記していますのでぜひ読んでいってくださいね。
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